人間国宝の能楽師・大倉正之助さんと私(ゴレ島出身のラティール ・シー)がゴレ島の「奴隷の家」で鎮魂の奉納演奏を行いました。
大倉正之助さんは長年私に日本の伝統文化・精神を教えて下さり、魂で繋がった兄弟です。出会ってもう約30年ですが、出会った当初よりゴレ島訪問を望んでおられました。その大倉さんがついにゴレ島に来て下さったのです。自分の生まれ故郷に来ていただくのは、とても嬉しい事でした。
日本人ではじめて「奴隷の家」で奉納演奏
ゴレ島の「奴隷の家」は奴隷貿易の拠点として栄えた悲しい場所です。その場所で奉納演奏を行うことは、奴隷の家の歴史上、前例のない極めて貴重なことです。大倉さんが日本人として初めてとなり、一緒に祈りの演奏を行いました。
長年の兄弟である大倉さんが日本を代表し、ゴレ島から平和を祈ってくれた事は、ゴレの血が流れている私には、とても大きな事でした。日本とアフリカの伝統太鼓である大鼓とジェンベで鎮魂の演奏ができた事は、ゴレ島を背負って日本で生きてきた私にとって、全ては運命の導きであったと思っています。
世界平和を願い、奉納演奏を行いました。
日本とアフリカの魂を結んだ私達兄弟が、日本とアフリカの架け橋となり、そして人類全ての平和を希求する二人のメッセージが、太鼓の皮(大鼓は馬、ジェンベは牛や山羊)を通し命の大切さを発信していく事が、自分達の使命であると改めて感じさせるものとなりました。
今回、大倉正之助さんは母の一周忌にあわせて、セネガルに来てくれました。追悼ミサでは、島民の祈る中、大倉正之助さんと一緒に奉納演奏を行いました。
全ての生命が尊重される事を長年願ってきた二人の祈りの旅が、これからもより多くの方々と共に歩む事が出来きます様に。
みなさんが少しでもセネガルに、ゴレ島に興味を持っていただければ幸いです。
メディア掲載
大倉正之助氏と行った在セネガル日本国大使公邸ならびにゴレ島で行った奉納演奏に関する、セネガル現地メディア APS通信の記事